餡(あん)あるいは餡子(あんこ)とは、饅頭などの中身に入れる具のこと。主に小豆を煮詰めた豆沙餡(とうさあん、小豆餡)を指すことが多く、後に他の豆などを煮た物も餡と呼ばれるようになりました。餡の味付けは、古くは塩で味付けした塩餡が一般的でしたが、近世以降砂糖の庶民への普及とともに砂糖餡が一般化しました。
粒餡
小豆をなるべく皮を破らないよう柔らかく煮上げて渋を切り、その生餡に甘味を加えて練り上げたもの。
小倉餡
粒餡とこし餡を混ぜたもの。煮崩れしにくい大納言種の小豆の粒餡と粒の小さい普通小豆のこし餡を混ぜたものが本来の小倉餡ですが、近年では粒餡の事を小倉餡と言う場合も見受けられます。小倉餡の名前の由来は809年頃に空海が中国から持ち帰った小豆の種子を、現在の京都市右京区嵯峨小倉山近辺で栽培し和三郎という菓子職人が砂糖を加え煮つめて餡を作り御所に献上したのが発祥とされています。その後、小豆の栽培地が丹波地方などに移り品種改良も進んで古来の小豆「小倉大納言」は亀岡でわずかに残るだけとなっていましたが近年になって嵯峨小倉山の畑で栽培も行われるようになりました。
白餡
小豆を用いた餡と比較して小豆色ではないため、この名称が付けられています。粒餡とこし餡がありますが、後者が一般的で特に白練餡といいます。まんじゅうの皮などにも使用されています。味付けや色を加えられ、練り切りなどの下地にされることも多い餡です。
葛餡
葛から取ったでん粉を煮溶かした物。他の餡とは異なり、具としてではなく食材に絡ませて使用します。